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2015.10.30
[インタビュー]
「映画は国の大切な文化だと思います。いつの時代にも、文化になりうる映画は必要です」-公式インタビュー:ワールド・フォーカス『風の中の家族』

風の中の家族

©2015 TIFF

 
1949年、内戦の続く中国大陸から台湾に移住した国民東軍の3人の兵士とひとりの孤児。苦難の道を歩みながらも、台湾社会へとけ込んでいく3人の男の絆と、少年の成長を描いた大河ドラマ。『村と爆弾』(87)『バナナ・パラダイス』(89)『無言の丘』(92)=台湾三部作で知られるワン・トン監督が、7年ぶりの新作をもってワールド・フォーカス部門で上映されるのを機に来日した。
 
――『童心宝界』(07年)以来、7年ぶりに本作を撮ったきっかけは?
ワン・トン監督(以下、ワン監督):人の心に訴えたいと思いました。台湾の映画市場が大きく変わって、いまはお金のために売れる映画を作ることが主流になってきている。でも、映画は国にとって大事な文化です。もちろん次世代の人たちも映画を撮ってはいますが、売れる映画へと流される傾向にある。そんな状況を見ていると、先達が歴史や文化を教え次世代を育てることが大事だと痛感します。
私は、そういうことを踏まえてここ数年間、映画は金儲けのためだけではなく、“文化や思想や歴史の解釈が大切だ”と次世代に教えるために、教師をしているのです。この作品に関しては6年ほど前に本に出会って、それからずっと脚本を書き直してきました。製作するにあたっての資金集めも大変でしたが、なんとか実現して良かったです。
 
――この作品は教え子たちへのお手本作りという意味でも、重要な作品ですね?
ワン監督:そうです。実際、この映画のスタッフの多くは生徒たちです。さすがに第一撮影監督などには起用できませんが、助手やセカンドユニットに参加しています。彼らはこの映画に参加することによって、いろいろな技術を実戦で学びましたが、もうひとつ勉強になったのはこの映画に描かれた過去の歴史だったと思います。
このテーマをどう撮るのか、当時の台湾はどんな状況にあったのか、過去の資料をどうやって見つけ、その写真を見てセットをどう作るのか。本当にたくさんのことを学んだと思います。
 
――内戦の続く中国本土から台湾に逃れてきた3人の兵士とひとりの孤児の物語。最初の戦争シーンは激しいですが、中盤からの台湾での生活描写は静謐に描かれ、引き込まれます。
ワン監督:情感を描く映画は静かに落ち着いて、あまり移動させずに撮影しないと観客の気持ちが入っていけないのです。ですから、ひとつのシーンでカメラ位置は2〜3箇所しか変えてないです。
 
――3人の兵士の中の連隊長ションに、スター俳優トニー・ヤンをキャスティングしたのは?
ワン監督:今回は軍人で、しかも連隊長の役です。だから退役して貧しい生活を送っていても、白いシャツを着て毅然としいて、清潔感がある。やっぱりそういう威厳とか清潔感、そしてカッコよさは中からにじみでてくるものだから、それをトニーなら自然に出せると思いました。実は、トニー・ヤンの役のイメージは高倉健さんだったんですよ。男らしくて責任感もある感じですね。
私は戦争映画を撮りたかったのはなく、戦争という背景を通して3人の男が固く結び合うという感情を描きたかったのです。血のつながらない3人の男の兄弟のような関係、そしてションは大陸から連れて来た孤児を息子として育てるのですが、それもまた血のつながらない親子の関係です。その関係と同時に、ションはいろんな女性に好かれても、大陸に残して来た妻のことを想って、誰とも結ばれない。その哀しくて強い想い。そういうものを描きたかったのです。
 
――ションの息子となった青年を演じたメイソン・リーは?
ワン監督:彼はアン・リー監督の息子です。でも、キャスティングした時はそれを知りませんでした。ニューヨーク大学で映画や演技を学んでいてオーディションに参加したのです。最初は中国語があまり上手ではなかったですが、だんだん上手くなりました。演技も良かったと思います。
 
――監督とって、映画は何だと思われますか?
ワン監督:映画は国の大切な文化です。お金儲けも出来るけれど、ただお金のためだけなら商業や産業でしかない。文化となりうる映画というのが、いつの時代でも絶対に必要だと思います。日本には産業にもなるし、文化にもなる映画を撮っている監督がいます。それは山田洋次監督ですね。私は、彼の『息子』という作品が大好きなんですよ。若い頃の永瀬正敏さんがすごく良かった。
(取材/構成 金子裕子 日本映画ペンクラブ)
 
『風の中の家族』
作品詳細

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