2015年7月28日(火)第28回東京国際映画祭記者会見を行いました。
行定勲監督をはじめとするアジアの気鋭監督らをゲストに迎え、ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクト「アジア三面鏡」への意気込みなどを語っていただきました!
また、オープニング・クロージング作品や、特集上映作品、審査員長などを発表しました!!
©2015 TIFF
●オープニング作品『ザ・ウォーク』
第28回東京国際映画祭のオープニング作品は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給、ロバート・ゼメキス監督の『ザ・ウォーク』です。
1974年、当時世界一の高さを誇ったニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーを1本のロープで結び、命綱なしの空中散歩に挑んだフィリップ・プティの驚愕の実話を、アカデミー賞監督ロバート・ゼメキスが“集大成”にして“最高峰”の技術で完全映像化した話題作です。
●クロージング作品『起終点駅 ターミナル』
クロージング作品は、東映配給、篠原哲雄監督の『起終点駅 ターミナル』です。
北海道・釧路を舞台に、人生の終わりへと向かっていたはずの男女が出会い、再び新たな人生へと踏み出す感動の物語が誕生しました。2013年「ホテルローヤル」で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃の最高傑作を原作に、日本を代表する名優・佐藤浩市、女優としての新境地に挑む本田翼や、尾野真千子、中村獅童、泉谷しげるなど実力派キャストが集結。篠原哲雄監督によって描かれる未来への一歩は、今を生きる全ての人々の始発駅となる作品です。
【佐藤浩市さんコメント】
「佐藤浩市です。僕は10年前の2005年、東京国際映画祭で根岸吉太郎監督『雪に願うこと』という映画で主演男優賞をいただきました。ちょっと自分で言うのも口幅ったいですけれども(笑)。不思議なことに今回も『起終点駅 ターミナル』という映画の初日に現場に
入ったときに、本当に偶然なんですけれども、『雪に願うこと』の初日に現場で感じた、監督・スタッフ共に、この映画が何に向かっていくのか、というみんなの意識の高さを感じました。それと同じ匂い、空気感を今回の『起終点駅 ターミナル』で感じたんです。それが今回こういう形で東京国際映画祭のクロージング作品になったということが、僕にとっては本当に嬉しい驚きでいっぱいです。ありがとうございます。」
【本田翼さんコメント】
「『起終点駅 ターミナル』に出演した本田翼です。『起終点駅 ターミナル』を、第28回東京国際映画祭のラストを飾るクロージング作品に選んでいただき、本当に光栄です。この作品は、見終わった後に、少し幸せになれるようなあたたかい作品です。この秋お会いできることを楽しみにしています。」
【原作・桜木紫乃さんコメント】
「映画『起終点駅 ターミナル』が、東京国際映画祭クロージング作品との報告を受け、大変嬉しく、光栄に思っております。ひとつの物語が映画という新しい表現を得て、より広くみなさまに愛される作品となりましたこと、関わってくださったすべての方々に、心からお礼申し上げます。本作が、映画を愛するみなさまの、ちいさくともひとつの起点駅となりますように。
そしてすべての映画が、時代を求め、時代に求められ、愛される世の中でありますように。東京国際映画祭の成功を祈っております。みなさま、ありがとうございます。」
●審査委員長の発表
コンペティション審査委員長は、大胆な映像スタイルと描き込まれた人物造形、そして多作で知られる脚本家、映画監督、プロデューサーのブライアン・シンガー氏に決定しました。
ブライアン・シンガー氏が大きく注目されるきっかけとなったのは、1995年の犯罪映画である『ユージュアル・サスペクツ』。同作は1995年に開催された第8回東京国際映画祭ヤングシネマ・コンペティション東京ゴールド賞を受賞し、アカデミー賞脚本賞にも輝きました。彼自身が手がけた大ヒット作品『X-MEN: フューチャー&パスト』の続編となる『X-MEN: アポカリプス(原題)』を現在制作中です。
【ブライアン・シンガー監督コメント】
「まず何よりも東京を再び訪問できることに興奮しています。今回で8度目ですが、ずいぶん久しぶりの来日です。映画を愛する者として、フレッシュで新しい作品を観られるということが一番の栄誉だと感じています。審査委員のひとり、さらには審査委員長の立場から、映画監督たちの成長を手助けできることは、なお一層の栄誉です。私は商業映画も手がけてきましたが、キャリアの出発点は映画祭です。映画祭の重要性を心から理解していますし、映画祭にまた参加できることをとても楽しみにしています。審査委員として、そしてほかでもないひとりの観客として。」
国際交流基金の取り組み「アジア・オムニバス映画製作シリーズ『アジア三面鏡』」
●アジア三面鏡とは・・
ひとつのテーマのもとにオムニバス映画を共同製作するプロジェクトです。本企画は、アジアに生きる人々を3名のアジアの気鋭監督がそれぞれの視点から描くことで、その向こうに浮かび上がるそれぞれの国の社会や文化を三面鏡のように映し出し、アジアに生きる隣人としてお互いがお互いを知り、理解し、共感し、アジア人としてのアイデンティティや生き方を模索する契機となることを目指します。撮影国はアジア限定。完成作を第29回東京国際映画祭にてワールドプレミア上映されます。その後、世界の主要国際映画祭での上映、国内外での公開を予定しております。
【行定勲監督コメント】
「まず、この二人と一つの作品に取り組めるのは、すごく刺激的なことです。そもそも僕自身がアジア映画に非常に影響を受けてきました。しかし、違うそれぞれの国が一つの映画を作るのは自分達の映画を作るのに必死で、容易なことではないと思います。(アジア三面鏡の)会議でもすごくパワーがあり、情熱を感じました。
これまでにはない企画なので、是非皆さんに期待してほしいです。オムニバス映画への参加は釜山映画祭ではありますが、それぞれの作品性が重要視されるプロジェクトはなかなかないので、何かそこで繋がりが見つけられる様な、お互いの国が一つに繋がれればいいと思っています。
今までの経験でも、海外で撮るというのはトラブルはつきもので、お互いの思い通りにならないこともありますが、何か自分の奥底にあるものを引き出してくれる。そういったものも期待しながらも体当たりして取り込みたいと思っています。
また、それぞれの国の情緒を持ったまま新しい角度で取り組みたいと思っています。そうすると、その国の事件や真実が見えてくるんじゃないかと思っています。」
【ブリランテ・メンドーサ監督コメント】(フィリピン)
「アジア三面鏡」企画に参加することができ、とても興奮してます。特に日本で撮影許可がもらえるかもしれないということにとても期待が高まっています。私が語ろうとしているストーリーには、もっともっとリサーチが必要ですが、3人の作りあげたストーリーをリンクさせて皆様に観ていただいたときに1本の映画として見ていただけたら光栄です。アジア人の監督達が作るということは、昔からの文化的な交流もあるので、様々なストーリーの可能性があり、本当に光栄なことだと思っています。」
【ソト・クォーリーカー監督コメント】(カンボジア)
「このプロジェクトに参加させていただけることを光栄に思っています。とても感謝しています。
おろらくカンボジア映画がこのようなオムニバス映画に参加するのは恐らく初めではないでしょうか。2013年に日本に初めて来たとき、日本の芸術や映画に対する愛に憧れを感じ、恋をしてしまいました。日本が我が家のように感じられました。
そして、気づいたことが日本とカンボジアは文化的なルーツが共通している点が多いなと感じました。なので、両国の文化的なルーツを触れる様な作品を作りたいと思っていましたので、このプロジェクトに参加できるのはチャンスだと思っております。」