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本年度審査委員

コンペティション国際審査委員

審査委員長

ブライアン・シンガー

ブライアン・シンガー

Bryan Singer

映画監督/脚本家/プロデューサー

profile

大胆な映像スタイルと描き込まれた人物造形、そして多作で知られる脚本家、映画監督、プロデューサー。1995年、『ユージュアル・サスペクツ』で注目を集め、アカデミー賞を受賞。自身が手掛けた『X-MEN:フューチャー&パスト』の続編となる『X-MEN:アポカリプス(原題)』が現在ポストプロダクション中。他の監督作には『X-メン』(00)『X-MEN2』(03)『スーパーマン リターンズ』(06)『ワルキューレ』(08)など。長編初監督作『パブリック・アクセス』で93年、サンダンス映画祭審査員大賞受賞。テレビ界においては、エミー賞およびゴールデン・グローブ賞を受賞した「ドクターハウス/Dr. House」のエグゼクティブ・プロデューサーを務め、パイロット版を監督。エミー賞およびゴールデン・グローブ賞にノミネートされた「ダーティ・セクシー・マネー」のエグゼクティブ・プロデューサーも務めた。また、自身の制作プロダクションBad Hat Harry Productionsが手掛けた数々の企画を監督およびプロデュース。主な作品には、『ストーリー・オブ・スーパーマン~スーパーマンの全て~』『ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート』など。

あいさつ

まず何よりも東京を再び訪問できることに興奮しています。今回で8度目ですが、ずいぶん久しぶりの来日です。映画を愛する者として、フレッシュで新しい作品を観られるということが一番の栄誉だと感じています。審査委員のひとり、さらには審査委員長の立場から、映画監督たちの成長を手助けできることは、なお一層の栄誉です。私は商業映画も手掛けてきましたが、キャリアの出発点は映画祭です。映画祭の重要性を心から理解していますし、映画祭にまた参加できることをとても楽しみにしています。審査委員として、そしてほかでもないひとりの観客として。

コンペティション審査委員

トラン・アン・ユン

トラン・アン・ユン

Tran Anh Hung

映画監督

profile

ベトナムに生まれ、75年よりフランス在住。監督デビュー作『青いパパイヤの香り』(92)は、第46回カンヌ映画祭カメラドールおよび第19回セザール賞最優秀デビュー賞を受賞した。同作はアカデミー賞最優秀外国語映画賞にもノミネートされた。
第2作『シクロ』(95)は第52回ヴェネチア映画祭の金獅子賞(グランプリ)を受賞。監督作は他に『夏至』(00)『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(09)、そして村上春樹の小説を映画化した『ノルウェイの森』がある。最新作“Eternity”は2016年公開予定。

あいさつ

映画祭あるいは審査委員の使命は傑作と新しい才能を発掘すること。今年の東京国際映画祭の審査委員の一員になることができて光栄です。素晴らしい芸術作品に出会えることを心から願っています。

ベント・ハーメル

ベント・ハーメル

Bent Hamer

映画監督/脚本家/プロデューサー

profile

映画制作会社BulBul Film主宰。ノルウェー・サンネフィヨルド生まれ。オスロ大学で法律を学んだ後、外国船の船員として数年働く。その後、ストックホルム大学で映画理論と文学を、ストックホルム映画学校で映画制作を修めた。『ホルテンさんのはじめての冒険』『酔いどれ詩人になるまえに』『キッチン・ストーリー』『卵の番人』がカンヌ映画祭にてインターナショナル・プレミア上映。『1001グラム ハカリしれない愛のこと』『酔いどれ詩人になるまえに』『キッチン・ストーリー』は米国アカデミー賞のノルウェー代表作品に選ばれた。2013年、ノルウェー国際映画祭アマンダ名誉賞受賞。

あいさつ

国際審査委員として、日本そして東京を再び訪れることを楽しみにしています。この20年にわたり、私のほぼすべての長編作品が日本で配給されています。いつの時代も、才能あふれる芸術家だからといって時代に受け入れられるわけではありません。芸術の世界で張り合うことがいかに難しいかを示しています。映画も例外ではなく、特に商業的な側面が作品の質よりも重視される場合、多くの作品はひっそりと消えていきます。だからこそ、私にとって、映画祭はとても大切です。観客は通常の興行では見ることのできない作品に触れることができ、監督や俳優は、観る目のある観客やジャーナリストや批評家に作品を見せることができます。私は審査委員の一員であると同時に、仕事とは切り離したところで個人的な好みや趣味、文化的背景をもつ一観客です。単なる娯楽を超えた何かを求めています。他の審査委員と共に、大小様々な宝石を、隠れた原石でもすでに輝く逸品でも、見つけ出す機会をいただけて光栄です。各自の個人的で主観的な意見をぶつけあいつつ、審査委員全員一致で評価したい作品を選ぶことができれば何よりです。最後に、映画作品の本質とは映画そのものではなく、芸術の心だと私は思っています。

ナンサン・シー(施南生)
Photo Courtesy of
Teo Keng Being

ナンサン・シー(施南生)

Nansun Shi

プロデューサー

profile

映画界において高く評価され、また多作としても知られる映画プロデューサー。『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』(11)『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』(13)『タイガー・マウンテン~雪原の死闘~』(14)など数々の超大作を手掛けてきた。映画製作会社であるシネマ・シティ、および国際的評価の高い映画監督/プロデューサーのツイ・ハークと共同設立したフィルム・ワークスで中枢的役割を果たす。2007年のベルリン映画祭および11年のカンヌ映画祭で国際審査委員を務め、13年10月、フランス政府より芸術文化勲章オフィシエを受章。14年8月、第67回ロカルノ国際映画祭では最優秀インディペンデント・プロデューサーに対して贈られるライモンド・レッツォニコ賞を受賞。15年5月、第17回ウディネ・ファーイースト映画祭ではゴールデン・マルベリー功労賞を授与された。

あいさつ

第28回東京国際映画祭の審査委員の任をいただき、大変光栄です。1989年に開かれた第3回の映画祭に、審査委員を務めたパートナーと共に出席したことがあります。その当時の東京国際映画祭はとても“若い”映画祭でした。時が流れ、すでに28回を迎えたとは。すっかり“大人”の映画祭ですね。
世界中から集まった多くの素晴らしい映画を拝見すること、他の審査委員の皆さんと熱い議論を繰り広げることを楽しみにしています。

スサンネ・ビア

スサンネ・ビア

Susanne Bier

脚本家/映画監督

profile

ヨーロッパで最も多作で、成功を収めている映画監督のひとり。数多くの受賞歴を誇り、『未来を生きる君たちへ』(10)でアカデミー賞およびゴールデン・グローブ賞の両方で最優秀外国語映画賞を、さらにヨーロッパ映画賞で最優秀監督賞を受賞。2007年の監督作『アフター・ウェディング』もアカデミー賞最優秀外国語映画賞ほか、数々の賞を獲得。デンマーク・コペンハーゲン出身であるビアにとっての最初の英語作品『悲しみが乾くまで』(07)は批評家に絶賛された。『ある愛の風景』(04)はサンダンス映画祭で観客賞を受賞。14年、ブラッドリー・クーパーとジェニファー・ローレンス主演のアメリカ映画“Serena”を監督。今年、ニコライ・コスター=ワルドーを主演に迎えた『真夜中のゆりかご』が公開された。現在、ジョン・ル・カレの小説「ナイト・マネジャー」を映像化したBBC・AMC製作の6部完結ドラマ(トム・ヒドルストン、ヒュー・ローリー主演)に取り組んでいる。

あいさつ

映画監督は個人的なこだわりを原動力にします。特定のテーマ、決まったキャラクター、映画技法を革新的に使うことなど…。私も同じです。映画を観るときは、私のこだわりに何となくつながりがあるような映画を好む傾向があります。審査委員を務めることは、普段なら見ないものや、探してみようとも思わない作品に触れるチャンスです。
私は日本を訪れたことは一度もないのですが、日本と日本映画は、私にとってずっと計り知れない魅力の源でした。ですので、東京国際映画祭の審査委員に選ばれたことは大変光栄であり、未知のものと出会う素晴らしい機会だと感じています。

大森一樹

大森一樹

Kazuki Omori

映画監督/脚本家

profile

1952年大阪市生まれ、京都府立医大卒。高校時代から8ミリ映画を撮り始め、77年、シナリオ「オレンジロード急行」で城戸賞受賞、翌年同映画化で劇場映画監督デビュー。以後、80年に自身の医学生時代を描いた『ヒポクラテスたち』(監督・脚本)、81年に村上春樹原作『風の歌を聴け』(監督・脚本)、88年には『恋する女たち』『トットチャンネル』(監督・脚本)で芸術選奨文部大臣新人賞受賞。89年から「平成ゴジラ」シリーズを手掛け、『ゴジラVSビオランテ』『ゴジラVSキングギドラ』(監督・脚本)他脚本2本を執筆。さらに『緊急呼出し エマージェンシー・コール』(監督・脚本・第8回東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門)『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』(監督・同第9回特別招待作品部門)『悲しき天使』(監督・脚本・同第19回「日本映画・ある視点」部門)など30本近い作品がある。最新作の日本ベトナム合作映画『ベトナムの風に吹かれて』は、本年10月より日本全国、ベトナムでも公開。また、近年日本映画の若手監督を数多く輩出している大阪芸術大学映像学科で、2006年より学科長を務め、若手映画人の育成に携る。日本映画監督協会理事。

あいさつ

20年前京都で開催された第7回東京国際映画祭でヤングシネマ・コンペティション部門の審査委員をしました。ロジャー・コーマン氏やアン・ソンギ氏らと同じ映画を見てのディスカッションはとても刺激的で、それからの自分の監督業に少なからず影響を受けた貴重な体験でした。
映画を作る側と見る側とでは180度位置が違うのは当然ですが、では映画を審査するというのはどの位置なのでしょう。作られた映画が観客に見られることによって初めて完成するというのが、世界中の映画の共通認識であるなら、その場に立ち会うことが審査委員の位置であると考えます。その責任の重大さを感じつつも、映画の深遠に触れられる幸運を楽しみたいと思います。

アジアの未来 審査委員

ジェイコブ・ウォン(王庆锵)

ジェイコブ・ウォン(王庆锵)

Jacob Wong

香港国際映画祭キュレーター

profile

香港国際映画祭キュレーター、香港アジア・フィルム・ファイナンシング・フォーラムディレクター。同フォーラムはブリランテ・メンドーサ、ポン・ジュノ、ツァイ・ミンリャン、黒沢清らの企画を支援してきた。また、ベルリン映画祭のアジア作品も担当している。

オリヴィエ・ペール

オリヴィエ・ペール

Olivier Père

アルテ・フランス・シネマ(エグゼクティブ・ディレクター)/アルテ・フランス(アクイジション担当ディレクター)

profile

パリのシネマテーク・フランセーズの編成担当としてキャリアをスタート。映画批評家として活動するかたわら、カンヌ映画祭監督週間、その後はロカルノ国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めた。2012年にアルテ・フランス・シネマのエグゼクティブ・ディレクターとして迎えられる。

大森立嗣

大森立嗣

Tatsushi Omori

映画監督

profile

『ゲルマニウムの夜』(05)で監督デビュー。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』(10)で日本映画監督協会新人賞受賞。『さよなら渓谷』(13)はモスクワ国際映画祭コンペティション部門審査員特別賞を受賞。その他監督作に『ぼっちゃん』(13)『まほろ駅前狂騒曲』(14)等。最新作『セトウツミ』を製作中。

国際交流基金アジアセンター特別賞 審査委員

佐藤忠男

佐藤忠男

Tadao Sato

日本映画大学学長/映画評論家

profile

1930年、新潟県生まれ。日本を代表する映画評論家であり、アジア映画研究の先駆者。 最初の著書「日本の映画」(56)以後、100冊を超える著書を発表している。紫綬褒章をはじめ受賞・受章多数。

松本正道

松本正道

Masamichi Matsumoto

シネマテーク・ディレクター

profile

1979年よりアテネ・フランセ文化センターのプログラムディレクターとして年間200本以上の世界の映画を上映。98年より映画美学校の共同代表。2009年から官民が協力して映画上映の場を確保するコミュニティシネマセンターの理事を務める。

安藤裕康

安藤裕康

Hiroyasu Ando

国際交流基金 理事長

profile

外交官として、在ニューヨーク総領事(大使)、駐イタリア特命全権大使等を歴任。首相官邸では総理秘書官、内閣官房副長官補を務める。2011年10月より、国際交流基金理事長として、外国との文化交流に取り組んでいる。

日本映画スプラッシュ 審査委員

マーク・ペランソン

マーク・ペランソン

Mark Peranson

ロカルノ国際映画祭プログラマー

profile

ロカルノ国際映画祭プログラマーであり、トロントを拠点とするシネマ・スコープ誌の編集者兼発行人。“Waiting for Sancho”(08)“La última película”(13/ラヤ・マルティンと共同監督)の監督も務めている。

ジーン・ホアン(黃鴻端)

ジーン・ホアン(黃鴻端)

Jeane Huang

Core Cultural Management 代表
アーバン・ノマド映画祭 オーガナイザー

profile

過去15年にわたり、映画祭イベントの運営を中心に、台湾の文化およびクリエイティブ業界で活躍。台湾の国際ドキュメンタリー映画祭を企画し、また、台北映画祭でもディレクターを務める。

渡辺真起子

渡辺真起子

Makiko Watanabe

俳優

profile

88年、『バカヤロー! 私、怒ってます』にて女優として映画デビュー。主な出演映画に、『M/OTHER』『愛の予感』『殯の森』『愛のむきだし』『ヒミズ』『2つ目の窓』など。カンヌ映画祭他多くの国際映画祭に参加し、『チチを撮りに』(13)では、アジアン・フィルム・アワードにて最優秀助演女優賞を受賞するなど国際的な評価も高い。

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第27回 東京国際映画祭(2014年度)